あらすじ

 スコットランド将軍マクべスとバンクォーは反乱軍に勝利した日、荒野で三人の魔女に出会う。魔女たちからマクべスは「コーダーの領主になり、やがて王になるお方!」、バンクォーは「子孫が王になる」と予言される。その直後、マクべスはダンカン王よりコーダーの領主を命じられ、王位への野心を芽生えさせる。
 夫からの手紙で魔女の予言を知ったマクべス夫人は欲望と暗殺の罪を恐れるマクべスの心中を見抜き、夫をそそのかす。
 国王歓迎の祝宴が行われた夜、マクべスは夫人の助けを得て、ついにダンカン王を刺殺し自らが王位につく。
 しかし不安に苛まれたマクベスは、もう一つの予言「子孫が王になる」と告げられたバンクォーへの恐れから、バンクォーのもとへ刺客を送り込む。暗殺は成功するが、その息子フリーアンスは逃げ去ってしまう。その夜晩餐の席でバンクォーの亡霊を目撃したマクベスは、恐怖で自分を見失い錯乱する。
 そして再び魔女から与えられた予言。
「マクダフに気をつけろ!ファイフの領主に用心しろ」「女から生まれた者は誰一人、マクベスを倒せはしない」「バーナムの森がダンシネインの丘へ攻め寄せるまでは……」
魔女たちはバンクォーの子孫が王位に就く幻影を見せつける。
 やがて狂気はマクベス夫人をも蝕み始める。度重なる殺戮が、マクベスと夫人から眠りを奪い、恐怖と虚無が二人を覆い始める。ついに隣国イングランドから復讐に燃え、ダンシネインを目指す亡きダンカン王の息子マルカムの軍勢が立ち上がる。予言された運命に立ち向かうマクベスは……