人形劇団クラルテ第111回公演
―大人のための人形劇―
七つの人形の恋物語
 
助成:文化芸術振興補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)

「七つの人形の恋物語」公演のご案内

拝啓
初秋の候。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
 さて、人形劇団クラルテでは毎年秋に大人のための人形劇を創り上演しております。今年は人気作家ポール・ギャリコの小説で『七つの人形の恋物語』です。
今回の作品は、生まれた時から優しさや愛から見放され心を閉ざした男と、己の境遇に絶望して自殺を図ろうとしていた無垢な少女の愛の物語です。人は人によって変わることができ、愛によって生きる喜びを見つけることができる。映画「リリー」の原作であり、ミュージカルなどでも舞台化されてきた本作品を、ファンタジックな人形劇でご覧いただきたいと思います。

なお今年は、10月の大阪公演に加え、11月に京都と神戸でも上演いたします。
この機会にぜひご来場いただきたいとご案内させていただきます。
全席指定ですので前もってお電話やFAX、メールなどにてご予約ください。
ご来場を心より待ちしております。


原作:ポール・ギャリコ 訳:矢川澄子(角川文庫刊)
企画:稲岡正順 脚色 演出:東口次登
人形美術:松原康弘 舞台美術:西島加寿子
音楽:一ノ瀬季生 照明:永山康英 舞台監督:藤田光平
制作:松澤美保 中山美津子 古賀恵子 隅田芳郎 成田結 齋藤麻美 佐藤結 早川沙織
所作指導:井田邦明 言語指導:稲岡正順

【出演者】西村和子・菅賢吉・奥村佳子・西島加寿子・福永朋子・藤田光平・杉山芳未・奥洞昇・斉藤裕子・曽我千尋

あらすじ
舞台女優を夢見てパリに出てきたムーシュ。だが現実は厳しく、全てのオーディションに落ち、食べるために場末のストリップ小屋で踊っていた。やがてそこもお払い箱になり、絶望し、セーヌ河に飛び込む決心を・・・と、不意に「おーい、その子、河の底は寒いぜ」、振り向くと赤毛の少年の人形が語りかけてきた。そこは人形一座「キャプテン・コック一座」の芝居小屋、ムーシュは今までの苦難を忘れ、幻想的な世界に惹き込まれていく。そして人形たちと言葉を交わすムーシュの不思議な魅力が見いだされ、人形一座の座員に。しかし、座頭で人形遣いのミシェルは悪魔のように冷徹な男だった。だが、ミシェルが操る人形たちは、魅力的でムーシュの心を掴み離さない。
少女のように純粋な女と冷徹な男に、七つの人形たちが本当の気持ちを伝えてくれる。

 


ポール・ギャリコPaul Gallico(1897年 生まれ- 1976年没)


アメリカ・ニューヨーク生まれの小説家(イタリア系)。コロンビア大学在学中に第一次世界大戦が始まり、海軍予備隊に参加。大学卒業後は新聞社でスポーツ記者として文筆の才能を発揮、人気記者としてのキャリアを積む。39歳でイギリスの南海岸の漁村に居を移し、創作活動に専念。『七つの人形の恋物語』は1954年に発表。その他の主な著書に、『スノーグース』(1941年O・ヘンリー賞、短編部門 受賞)、『ジェニイ』、『雪のひとひら』、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年映画化)など。