第118回公演 近松人形芝居其の16  日本の古典芝居其の21

女殺油地獄

〇令和元年度(第74回)文化庁芸術祭参加公演
〇第47回大阪劇フェス2019参加
〇第2回大阪フリンジフェスティバル参加
 

近松門左衛門さん
あなたの書かれた『女殺油地獄』は、どうしてあんなに型破りなんですか?役柄で役割が決まっている安心感を、どんどん裏切って、矛盾だらけの人間をどんどんむき出しにしていく、あんな書き方にたどり着いたのは、何故なのでしょう。観客を矛盾の谷間に引きずり込んでいくこれは、二十一世紀の現代劇です。クラルテでは、あなたの魅力に取りつかれた吉田清治さんが、次々と近松作品の現代人形劇化を果たしてきました。その遺志を継いで、今、クラルテの吉田作品の人形造形を生かしつつ、あたらしい『女殺油地獄』を作ろうとしています。それも、歌舞伎や文楽では省略している場面も含めて、あなたの原作にできる限り忠実に、これまでになかった舞台空間で ― 見守ってください。手を貸してください。
三百年後の後輩 ふじたあさや

近松門左衛門
脚色 吉田清治(1973年版)
演出・脚色(潤色) ふじたあさや
演出助手 藤田光平
文芸助手 宮本 敦
人形美術 吉田清治・永島梨枝子
舞台美術 永島梨枝子
音楽 藤原 豊(東京音楽大学)
音響プラン 茨木新平
照明 永山康英(永山照明事務所)
方言指導 松寺千恵美(関西芸術座)
合唱指導 信太美奈(桐朋学園芸術短期大学・昭和音楽大学)
舞台監督 松原康弘
宣伝美術 オザワミカ
制作 古賀恵子・高平和子・荒木千尋
協力 乾 安代(園田学園女子大学 近松研究所 前所長)
株式会社 長崎堂
神宗 隠居 尾嵜彰廣
宿坊・和空 下寺町
生演奏 岡崎泰正(ギター・三味線ほか)

【あらすじ】

大坂本天満の油屋主人・河内屋徳兵衛は番頭あがりで、主人の忘れ形見である与兵衛に対し常に遠慮がちであった。実の母・お沢は徳兵衛への気遣いから、与兵衛に対し必要以上に厳しく接していた。
そんな屈折した愛情の中、義父が厳しく叱らないのを良いことに与兵衛は増長し、売上金を使い込み、新町の遊女に入れあげる放蕩三昧。それでも遊ぶ金に困った与兵衛は、義父の偽判を用いて金貸しから銀200匁(金4両)の金を借り受ける。夜が明ければ元金の5倍(金20両)の金を返済せねばならぬ日限に追立てられ、豊島屋の女房お吉に急場を逃れるための無心をするが断られる。二進も三進も行かなくなった与兵衛はついにお吉を惨殺。豊島屋の掛け金をうばう。
何食わぬ顔でお吉の三十五日の供養に列席していた与兵衛だが、天井でネズミが暴れ、血潮が付いた証文が落ちてくる。その筆跡が証拠となり、与兵衛は直ちに召し取られる。

<ふじたあさやプロフィール>
1934年、東京生まれの劇作家・演出家。早稲田大学演劇科中退。在学中に、福田善之と合作の『富士山麓』で劇作家としてスタートを切る。放送作家を経て、1965年より劇団三十人会で、1973年からはフリーで、新劇・児童青少年演劇・音楽劇の劇作・演出にあたる。
 主な作品に『日本の教育1960』『ヒロシマについての涙について』『現代の狂言』(以上三十人会) 『さんしょう太夫』(前進座) 『サンダカン八番娼館』(文化座) 『臨界幻想』(青年劇場) 『しのだづま考』(中西和久一人芝居・文化庁芸術祭賞受賞) 『ベッカンコおに』(えるむ) 『うたよみざる』(歌座) 『ねこはしる』(昭和音大ミュージカル) 『母』(河東けい一人芝居)等がある。
日本演出者協会元理事長のほか、日本劇団協議会、日本芸能実演家団体協議会、日本劇作家協会、国際児童青少年舞台芸術協会(アシテジ)等の役員を歴任。元昭和音楽大学教授。

【公演スケジュール】

近鉄アート館での公演は終了いたしました。
今後の予定については決まり次第【公演情報】に掲載いたします。