女殺油地獄

YouTubeにてPV公開中⇒【こちら】

【有料動画配信】

2023年秋の近鉄アート館公演を収録・編集しVimeoにて年明け以降公開予定。
お申し込み受付開始までもうしばらくお待ちください。

 

令和元年度 第74回文化庁芸術祭
演劇部門大賞受賞

・受賞一覧及び受賞理由については【こちら】をご覧ください。

 
近松門左衛門さん
あなたの書かれた『女殺油地獄』は、どうしてあんなに型破りなんですか?役柄で役割が決まっている安心感を、どんどん裏切って、矛盾だらけの人間をどんどんむき出しにしていく、あんな書き方にたどり着いたのは、何故なのでしょう。観客を矛盾の谷間に引きずり込んでいくこれは、二十一世紀の現代劇です。クラルテでは、あなたの魅力に取りつかれた吉田清治さんが、次々と近松作品の現代人形劇化を果たしてきました。その遺志を継いで、今、クラルテの吉田作品の人形造形を生かしつつ、あたらしい『女殺油地獄』を作ろうとしています。それも、歌舞伎や文楽では省略している場面も含めて、あなたの原作にできる限り忠実に、これまでになかった舞台空間で ― 見守ってください。手を貸してください。
三百年後の後輩 ふじたあさや

 
創立75周年記念 第124回公演 近松人形芝居其の16  日本の古典芝居其の21

近松門左衛門
脚色
人形美術
吉田清治(1973年版)
演出
潤色
ふじたあさや
舞台美術
人形美術
永島梨枝子
音楽 藤原 豊(東京音楽大学)
映像 サカイヒロト
照明 永山康英(永山照明事務所)
方言指導 松寺千恵美(関西芸術座)
合唱指導 信太美奈(桐朋学園芸術短期大学・昭和音楽大学)
宣伝美術 オザワミカ
舞台監督 松原康弘
写真 田嶋哲
制作 古賀恵子・高平和子・荒木千尋
協力 八代目神嵜屋宗兵衛 尾嵜宗兵衛
公益財団法人 宝塚市文化財団
後援 大阪市
生演奏 岡崎泰正(ギター・三味線)

【あらすじ】

大坂本天満の油屋主人・河内屋徳兵衛は番頭あがりで、主人の忘れ形見である与兵衛に対し常に遠慮がちであった。実の母・お沢は徳兵衛への気遣いから、与兵衛に対し必要以上に厳しく接していた。
そんな屈折した愛情の中、義父が厳しく叱らないのを良いことに与兵衛は増長し、売上金を使い込み、新町の遊女に入れあげる放蕩三昧。それでも遊ぶ金に困った与兵衛は、義父の偽判を用いて金貸しから銀200匁(金4両)の金を借り受ける。夜が明ければ元金の5倍(金20両)の金を返済せねばならぬ日限に追立てられ、豊島屋の女房お吉に急場を逃れるための無心をするが断られる。二進も三進も行かなくなった与兵衛はついにお吉を惨殺。豊島屋の掛け金をうばう。
何食わぬ顔でお吉の三十五日の供養に列席していた与兵衛だが、天井でネズミが暴れ、血潮が付いた証文が落ちてくる。その筆跡が証拠となり、与兵衛は直ちに召し取られる。

<ふじたあさやプロフィール>
1934年、東京生まれの劇作家・演出家。早稲田大学演劇科中退。在学中に、福田善之と合作の『富士山麓』で劇作家としてスタートを切る。放送作家を経て、1965年より劇団三十人会で、1973年からはフリーで、新劇・児童青少年演劇・音楽劇の劇作・演出にあたる。
 主な作品に『日本の教育1960』『ヒロシマについての涙について』『現代の狂言』(以上三十人会) 『さんしょう太夫』(前進座) 『サンダカン八番娼館』(文化座) 『臨界幻想』(青年劇場) 『しのだづま考』(中西和久一人芝居・文化庁芸術祭賞受賞) 『ベッカンコおに』(えるむ) 『うたよみざる』(歌座) 『ねこはしる』(昭和音大ミュージカル) 『母』(河東けい一人芝居)等がある。
日本演出者協会元理事長のほか、日本劇団協議会、日本芸能実演家団体協議会、日本劇作家協会、国際児童青少年舞台芸術協会(アシテジ)等の役員を歴任。元昭和音楽大学教授。


〇令和元年度(第74回)文化庁芸術祭演劇部門大賞受賞作品